源氏物语.千年之谜-第11章

亦又太心:朱雀帝に位を譲り　院となられた帝は　若宮様を東宮にお立てになると まるでそれを待っていたかのように　病に倒れられました 心配はいらぬ 私はすでに寿命が尽きた身なのだよ 何をおっしゃるです 私はもう疲れたのだ 父上　思い残すことは何も…光　ただそなたのことだけだ 数ある皇子の中で、そなたは一番優れた子であった。それと私の力不足ゆえ　帝位に即けることができなかった わたくしはもとより、その器のない人間です そうしていれば誰も苦しまなかったのだ そなたも　私も どうか幼い東宮を守ってやってくれ これは私の最後の望みだ

亦又太心:命婦様命婦様 おやめをおやめください お方様　わたくしは　わかっております 後はわたくしがお話し致します 源氏の君あなたのお振る舞い前はわたくしだけではなく　あの者も苦しめているのですよ それがお分かりにならぬのですか？ わたくしは今やっとわかったのです 貴方への思いが、何ゆえなのか　思い出したのです 初めて御所であなたにお会いした時の事を 共に夜が更けるまで本を読み　管弦を遊びをし、そのうちにわたくしは思ったのです いっそこのまま大人にならなければ　ずっとあなたと共にいられる あなたの笑顔の中に包まれていられると わたくしにとってあなたの代わりなどどこにも居ない 結ばれぬあなたを恋い慕い続けることがわたくしの運命。 その苦しみをひとりで背負う強さがあれば誰も傷つけることはなかったのです 葵も　夕顔をも　あの方もそのことをお伝えしに参りました もう二度とこのような振る舞いは致しません あなたを地獄に落とすことはできない もう落ちている この悪夢はこの一夜の夢で終わるのですか？ それとも新たな悪夢の幕開けになろうと言うのですか？ 私はあなたに感謝しているのだよ 源氏の母を失い、闇の中にいた私を救ってくれた あなたはこうして　新しい命まで私にくれる私を照らす光 あなたの代わりはどこにもいない ごらん美しい子であろう　はい　誠に美しい そなたの幼い頃に不思議なほどよく似ておる 恐れ多いことにございます きっと美しいものは似るものなのだのう