源氏物语.千年之谜-第1章

亦又太心:そなたの評判は我の耳にも届いておる そなたの物語には本物の血が流れているようだと 諦めなさい　私は何をしても許される身なのだ いつか　そなたの書く物語を読ませてくれ 男と女の物語だ　我の名を知りたいか 我は光だ　世をあまねく照らす光だ それは猿坊主が唐の国より持ち った紙である とらえるのだ帝のお心をその筆　 そなたの筆で それができるのはそなたしかおらぬ 　 なたのほかにわほらぬのだ そなたの書く物語の力で　我が娘彰子のもとにいっときでも長く帝を留めおのだ 我が天下を治めるため 我の血を帝の中に残さんがため

亦又太心:いつの御代のことでしょう 女御更衣があまたお仕えしておりました 軽い身分でありながら 帝から誰より愛され 楊貴妃もかくやと言われるほど 格別に偶された一人の女人がいらっしゃいました 桐壺更衣と呼ばれたお方でしたけれど 帝のご寵愛の深さはあなたの女人の嫉妬となって 桐壺様へと襲いかかりました 中でも帝の第一后弘徽殿のお怒りは並々ならぬものでした この淫らな女め卑しき身分のお前になんか 御子産ませはせぬ　断じて許さぬぞ 私の血はこれてようやく帝と一つになるのです 私の命よ