源氏物语.千年之谜-第3章

亦又太心:元服の儀誠におめでたきことにございます わたくしにお顔を見せてはくださらないのですか あなた様はもはや大人におなりになったのですから わたくしはこれより臣下の立場にて この宮を藤壺の宮様を末永くお守り申し上げます まがまがしい女たちの情念渦巻く宮中で 限りなき美しさに恵まれて この世に生を受けた源氏の君 母の愛を知らずして育った その心の飢えは大きいなる悲劇へとつながってゆくのです 早く続きが聞きたいものよ　のう？ もったいない　お言葉を お離しを　いや離さぬ 今宵の月は我にあの夜を思い出させる 生涯忘れ得ぬ　あの一夜のように 今宵そなたの胸で甘えてみたいのだ お酒が過ぎたようでございますね 道長様 おやすみなさいませ 明日の朝議に遅れまする 道長ではない　我は光だ そのほかの物語の中で 我を光と名付けたではないか 早く寝所へ　このようなところで 長居をしては　お風邪を召されます 式部　でかした 彰子が身こもったのは　そなたのおかげで 改めて礼を申す わたくしはただあなた様のご命令を従ったまでのこと その他の筆は　我が命を遥かに超えておる 我とてそなたの虜だ そなたの書く物語にすっかり 心を奪われておるのだぞ おやすみなさいませ 我の大願とそなたの思いとどちらが強いのだ